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2010-07-10

横山勝也氏の尺八

 先日、芸術家仲間が集まって邦楽談義に花が咲いた。その中で「箏や笛など楽器の演奏で聴衆を1番多く泣かせたのは誰だろう」と云う話になった。皆、演奏家で自信を持つ面々だが流石、自分のことは言わず、亡くなった名人師匠のことを話しだす。「宮城道雄、中能島欣一、福原百之助、山田抄太郎、納富治彦、山口五郎~」と、
まだまだ続いた、一瞬の沈黙の後、ある人が「僕は優しく人を愛した横山勝也の尺八と思う!」と静かに話し出す。
彼は4/21
午後3時、世界中の音楽家から惜しまれ亡くなった<ノヴェンバー・ステップス>の尺八演奏家である。
シーンと
静まる中、皆、異口同音の気持ちのようであった。
 私もここに横山勝也氏との思いを紹介したい。

「わが友・横山勝也氏に捧ぐ」 
横山勝也さんが天上の人となって、あの魅力的な横山流尺八の音を地上に向かって吹き鳴らしている。ある時は二尺三寸管の低音の響きで、ムライキを伴い、迫力一杯に!またある時は一尺八寸管を抒情的に、優しさ膨らむ高音の音色で話しかけてくる。爽やかな風に乗って聴こえてくる勝也さんの心の音に、私は毎日のエネルギーをもらっている。
勝也さんとは1961年のNHK邦楽技能者育成会第6期生からの友人、「昭和40年NHK全国ホープ」も一緒で、真剣に合奏した「都の春」は今も心に残る思い出の一曲である。一尺八寸管の、珠を転がすような柔らかな音は熟成した甘露の如くであった。
1985年、国際交流基金の依頼で行ったアメリカ公演(ロスアンゼルス・ニューヨーク・ボストン・フィラデルフィア等)の二人旅では、睡眠を惜しんで、プログラム企画をする、いつもの豪放磊落な彼とは違う優しく繊細な一面を視た。お陰で演奏会は大成功。
ここに親愛なる友・横山勝也氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。


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プロフィール

宮下伸

Author:宮下伸
宮下伸(みやした しん)
作曲家 箏・三十絃演奏家

宮下流箏曲創始者

1954年 東京芸術大学卒業。在学中、安宅賞受賞。NHK邦楽者育成会第9期首席修了。NHK「全国今年のホープ」に選ばれる。
1968年 第1回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。
1973年 「宮下伸 箏・三十絃リサイタル」の演奏・作曲により芸術祭大賞文部大臣賞受賞。
1981年 NHK委嘱「響の宴」の作曲により芸術祭賞文部大臣賞受賞。
1997年 演奏・作曲・教育の功績により松尾芸能賞優秀賞受賞。

[代表委嘱作品]
1995年 文化庁委嘱「三十絃・尺八・歌による南島」ほか
1978年 NHK委嘱「箏組歌・六白嬉遊曲」ほか
1981年 国立劇場委嘱「響流」/出版・春秋社

[教育活動]
1995年 NHK開局70周年記念コンサートに自作「海流にのって」(日本三曲協会委嘱)を演奏/NHKホール
2003年 文科省主催・宮下伸の話と演奏「乱輪舌」「三つの断章」/国立劇場大ホール
2005年 文科省主催「我が国の伝統音楽を生かした音楽の充実に向けて」講演/国立劇場・NHK開局80周年<日本音楽の祭典>中能島欣一作曲「三つの断章」独奏/NHKホール
2007年 全国高等学校総合文化祭委嘱/宮下伸作曲「箏三重奏曲・華やぎ」を出演の高校生に指導/群馬県教育委員会
2008年「芸道50周年/宮下伸・筝三十絃作品演奏会」伝統芸術の新たな創造と発展を伝える/紀尾井大ホール

[社会活動]
箏曲・宮下社会長、文科省中央教育審議会専門委員、文科省学習指導要領<音楽>作成協力者、第30回全国高等学校総合文化祭/日本音楽審査委員長、長野県/栃木県/埼玉県/群馬県高等学校日本音楽コンクール審査委員長、NHK邦楽オーディション審査員、賢順記念全国箏曲コンクール審査員

[海外公演]
外務省派遣の日本国文化特使・宮下伸邦楽アンサンブル団長としてアメリカ、メキシコ、グァテマラ、コスタリカ、パナマ、オーストラリア、ニュージーランド、印度、パキスタン、ダージリン、タイ、中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、ウィーン、ポーランド、ハンガリー、デンマーク、スェーデン、フィンランド、イラク、ロシア、ペトルスブルグ、ほかで公演

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